2010/02/08
【脳研究 - headlines】
- Nonlinear connectivity by Granger Causality (Marinazzo D, Liao W, Chen H, Stramaglia S, Neuroimage. 2010 Feb 1)
- Linking brain-wide multivoxel activation patterns to behaviour: examples from language and math (Raizada RD, Tsao FM, Liu HM, Holloway ID, Ansari D, Kuhl PK, Neuroimage. 2010 Feb 1)
NeuroImageから2報。週明けだってのに景気悪いなぁ・・・。
1本目は従来の線型モデルを想定したGCAとは異なり、”kernel GC”というのを提唱しているreview兼手法提案論文。うーん、最近GCは手法開発が相次いでて、追いかけ切れてない気が・・・。
2本目はMVPAがついにNeuroImageにまで降りてきましたという事実を如実に物語る論文。
まぁ、いわゆるMVPAに比べると使い方は違うんですが。
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2010/02/08
【研究 - 全般】
さて、今回オープンになった神経科学の若手研究者有志による公開提言ですが、かなりの反響をいただくことができました。本提言をご紹介したエントリにもblog上コメントと相当数のブクコメをいただきましたし、またtwitterでも本提言の取りまとめ役の宮川剛さんが音頭を取られて、やはり結構な数のツイートをいただいたようです。
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2010/02/05
【脳研究 - headlines】
- What is the unit of visual attention? Object for selection, but Boolean map for access (Huang L, J Exp Psychol Gen. 2010 Feb;139(1):162-79)
- The influence of alertness on spatial and nonspatial components of visual attention (Matthias E, Bublak P, Müller HJ, Schneider WX, Krummenacher J, Finke K, J Exp Psychol Hum Percept Perform. 2010 Feb;36(1):38-56)
J Exp PsycholのGen / Hum Percept Performから1報ずつ。1本目はattentionが働きうる「単位」は、実は個々のオブジェクトレベルではなく、それぞれの特徴量の(一種の)ブール代数和であるBoolean mapであると主張するpsychophysics。うーん、こんなところで”Boolean”の語を見るとは思いませんでした。
何だか応援したくなる研究ですね。2本目はalertnessがvisual attentionの各要素にどう影響を与えるかを調べたpsychophysics。結論からいうと、attentionの各要素のうちattentional weightingとprocessing speedの2要素には影響があったものの、VSTMには影響がなかったそうです。うーん、tuningとtimingのことを言ってたのか・・・。
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2010/02/04
【脳研究 - headlines】
- Behavioural exposure and sleep do not modify corticospinal and intracortical excitability in the human motor system (Doeltgen SH, Ridding MC, Clin Neurophysiol. 2010 Jan 9)
- Increased motor cortical excitability after whole-hand electrical stimulation: A TMS study (Golaszewski SM, Bergmann J, Christova M, Nardone R, Kronbichler M, Rafolt D, Gallasch E, Staffen W, Ladurner G, Beisteiner R, Clin Neurophysiol. 2009 Dec 24)
職人芸的な論文が多くて贔屓にしている(なのにうちの図書館はライセンス契約打ち切りやがった!
)Clin Neurophysiolから2報。1本目はTMSによる第一背側骨間筋のexcitability(たぶん筋電を測っているのでしょう)が一日のうちでも時間帯によって変化するかどうかを調べ、cortico-spinal / intra-cortical excitabilityの日較差が存在するかどうかを検証したというもの。結論からいうと「系統的な日較差は見られなかった」そうです。2本目は電気刺激グローブを使って手全体に電気刺激を与えた上で、やはりTMSを用いてcortico-spinal excitabilityを調べたというもの。結果は「効果あり」。リハビリに使えるかも?だそうです。
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2010/02/04
【研究 - 全般】
ついにこの提言が日の目を見る時がやってきました。これは、業界向けSNSである「神経科学者SNS」において、昨年末の事業仕分けに際して開設された「事業仕分け」コミュニティでの議論をもとに、若手研究者有志のワーキンググループが3ヶ月をかけてまとめたものです。僕も議論の方向性などの点で、ほんの少しだけですがお手伝いさせていただいております。
現在のところ、この提言は総合科学技術会議(議長:鳩山総理)宛てとされており、2月中に直下の委員会にて取り扱いが審議される運びとなっております。
ところでその内容ですが、要約が6ページに3項目に分けてまとめてあります。以下引用。
- 我が国の研究者間の協力とコミュニケーションを促進し、研究者とそれを取り巻く環境の最適化を図り、科学界からの情報発信を奨励し、人類の幸福のための科学・技術をサポートすることなどを目的とした、高名な研究者だけでなく誰でも加入できる研究者の組織の設立へ向けた議論の場を設けること。
- ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、簡易アンケートシステム、ツイッター、Ustreamのようなインターネットを活用したコミュニケーション技術の進歩には目覚しいものがあるが、こういった情報通信技術を1のような組織の主要コミュニケーションツールとして用いて、各種の科学・技術政策の意思決定や科学コミュニケーションに活かすような仕組みの導入について検討すること。
- 資料として添付した I)ムダの排除と効率化、II)研究費の制度のあり方、III)研究者キャリアパス、IV)研究成果の評価、V)大学・研究機関のあり方、VI)科学コミュニケーション、などの論点を含む我が国の科学・技術を取り巻く環境全般の各種問題点について、1のような多くの研究者が加入できる組織において継続的な議論を行い、その議論を科学・技術の政策に活かしていただくこと。
この3項目をわかりやすく図示したものが、23ページにあります。具体的な構想はこれから議論することになると思いますが、一言でいえば「従来のような密室におけるトップダウンな科学・技術政策の決定を漸次廃し、現場の研究者からのボトムアップな科学・技術政策への意見・要望を取り入れやすくする」システムの構築です。

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研究/全般, 大学・大学院, ドクター・ポスドク問題 | Comments (10) |
2010/02/03
【脳研究 - headlines】
- Blue-yellow opponency in primate S cone photoreceptors (Packer OS, Verweij J, Li PH, Schnapf JL, Dacey DM, J Neurosci. 2010 Jan 13;30(2):568-72)
- The spatial profile of the focus of attention in visual search: Insights from MEG recordings (Hopf JM, Boehler CN, Schoenfeld MA, Heinze HJ, Tsotsos JK, Vision Res. 2010 Jan 28)
1本目はJNSから。読んで字の如く、反対色モデルのb-y opponencyがS coneで形成されうるということを示す研究です。もっともストーリーとしてはごくごく単純で、青が入力されると当然S coneに内向きの電流が発生し、一方で黄が入力されると周囲のL/M coneからの水平フィードバックが働いてS coneに外向きの電流が発生するというもの。これにrodがどう相互作用するか、ということも僕は考えたくなるんですが、どうなんでしょう?
2本目はattentionの研究では著名なTsotsosのところから。けれどもattentionのERP/MEGではもう10年ぐらいお馴染みのHopf, Schoenfeldも顔を揃えています。ネタとしてはこれまた10年来のお話で、attentionによるselective tuningがtask demandを変化させた場合にどうなるかをMEGで追究しましたというもの。いい加減飽きないんですかねぇ。
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2010/02/03
【脳研究 - issues】
何つーか、以前見たような話の繰り返しなんですが。
この研究そのものは、リリース元の理研の記事にもある通り
左右いずれの脳でも、神経突起は右ねじ方向に回転するため、この現象が脳の左右非対称を生み出す新たなメカニズムであると推察できます。
と言っているわけで、基本的には通俗的な「右脳・左脳」論とは何の縁もゆかりもない話をしているはずなんですが(注:プレスリリースのフルテキストを見ると「右脳」「左脳」の語が使われている)、これがメディア記事になると
回転が左右の脳の非対称性を生み、右脳と左脳の機能分担を生じさせると推測している。
とわかりやすさを重視して?まとめたせいでニュアンスが微妙に変わってしまい、こういう記事のテキストが入ることによって当然ながらこの「脳研究」ニュースカテゴリには
◇右脳と左脳の役割
・ 知れば知るほど面白い、右脳と左脳の関係。 - Science@Sugar
・ あなたが右脳派か左脳派かを見極める面白クイズ - オーストラリアのサイトを紹介。CNET Japan(2007年10月15日)
というように似非脳科学的見出しが跋扈するという構図になるわけです。
まぁ、わかりやすさを重視するのは結構な話なんですが、これじゃあせっかくの研究成果も神経神話(=まだ科学的信頼性が確定していない言説をさも真実であるかのように喧伝すること)の片棒担ぎをしているように映りかねませんね。メディアがしょうもないのはわかりきったことですが、我々研究者も厳に自戒したいところです。
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2010/02/03
【脳研究 - issues】
- A MATLAB toolbox for Granger causal connectivity analysis (Seth AK, J Neurosci Methods. 2010 Feb 15;186(2):262-273)
- Partial Granger causality–eliminating exogenous inputs and latent variables (Guo S, Seth AK, Kendrick KM, Zhou C, Feng J, J Neurosci Methods. 2008 Jul 15;172(1):79-93)
- Anil Seth / Code
リンク先をご覧いただければおわかりの通り、いつの間にやらAnil K. Sethが無償で提供しているGranger causality analysis (GCA)のMatlab toolboxがupdateされてました。ということで、旧版を使っておられる方は一度試してみると良いかもしれません。
改良点は上記1本目の論文に出てますが、一番大きいのは”partial Granger causality (pGC)”を採用した点です。これは要するにpartial correlation(偏相関)の考え方にヒントを得たもので、平たく書くと各node間における相互作用以外の要因(e.g. 外部入力、ノイズ・・・)によって生じるGCを排除するために、通常の各node間におけるGCからその残差に対するGCをキャンセルアウトすることで、純粋に各node間の相互作用「のみ」を反映するGCを得ようとするものなんだそうです(詳細は2本目の論文を参照のこと)。
ただし、色々気を回して前のバージョンであるCausal connectivity toolboxに対してパッケージそのものの構成に手を入れすぎたせいか、微妙に以前より使いにくくなってる気がします。
もっとも使用しているM-file名は前のバージョンとは全て違う名前にしてあるので、パスを通すだけで旧版と新版の同居が可能なようになっています。
最近になって、特にfMRIデータに対するGCAは部位ごとのHRFの差異に左右されやすいという報告が出てきたこともあり、GCAの適用についてはややこしい議論が頻出しているようです。そういう問題を回避するためにも、今回ご紹介したpGCのような新しいコンセプトの導入は重要なのかもしれません。ということで、ご参考までに。
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2010/02/02
【脳研究 - headlines】
- “What” and “Where” in the Intraparietal Sulcus: An fMRI Study of Object Identity and Location in Visual Short-Term Memory (Harrison A, Jolicoeur P, Marois R, Cereb Cortex. 2010 Jan 25)
- Striatal Volume Predicts Level of Video Game Skill Acquisition (Erickson KI, Boot WR, Basak C, Neider MB, Prakash RS, Voss MW, Graybiel AM, Simons DJ, Fabiani M, Gratton G, Kramer AF, Cereb Cortex. 2010 Jan 20)
Cereb Cortexから2報。1本目は読んで字の如し、IPSにおけるWhat / Where情報の表象を調べたfMRI study。このグループの以前からの研究(Natureに何度か載ってますね)の流れに沿って、memory loadを操作してそれぞれの表象の特性を見ています。結論だけ書くと、loadに比例してWhere賦活は増大するのに対してWhat賦活は違ったので、主にWhere表象が優勢であるということを言っています。2本目はもうタイトルを見たまんま。
どう新しい仮説につなげていくのかが知りたかったかも。
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